世田谷の家で採用している制振装置です。
装置といっても原理は単純。油圧式のダンパーで車のサスペンションなどに似ています。
長さは50センチくらいの小さな部品ですが、地震の揺れの一部を吸収する役割を果たします。
これを柱と梁に必要な数を取り付けていきます。
住宅を建てるとき、耐震について興味を持たない人はいないと思います。
設計過程においても、耐震についての話題は尽きることはありません。
丈夫で安全な家を、みなさん望まえるのは今も昔も当然のことです。
地震についてどのような手法が有効なのか、耐震については品格法という法律で1〜3の等級が定められています。
等級1は建築基準法の基準が満たされたもの、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の強さがあります。
耐震等級が高いほど理論的には地震に強い家ということになりますが、
繰り返し来る地震に対して、揺れに耐えることや品格法の基準を満たすだけで本当によいのか、
最近の地震の被害を見ていて思うところもあります。
そこで耐震のほかに、「制振」という考え方を取り入れていくことにしました。
「制振」とは、地震の衝撃そのものを小さくしていく考え方です。
この小さなダンパーが、地震の際に揺れを吸収し、建物を傷めないことに役立ちます。
地震の衝撃が小さくできれば、家具などが倒れてくる確率も低くなりますので、
住む方の安全を考えれば、このような方法は有効ではないかと思っています。
取り付けられたオイルダンパーです。
1、2階の柱と梁、全部で12箇所に取り付けられています。