東京湾お台場にて、ハウスビジョン2016という展示会が開催されています。
夏休みを利用して、家族と一緒に見に行ってきました。
アートディレクターの原研哉さんが中心となり、著名な建築家やデザイナーと
協賛企業が手を組み、住まいの未来の姿を表現した原寸のモックアップ(パビリオン)が公開されています。
テーマは「あたらしい常識をもって都市に住む」です。
なかなか刺激的なメッセージです。
夏休み期間ということもあってか、ボランティアや建築学生のみなさんがたくさん見にきていました。
よく建築はその時代を表す鏡と言われます。
建築は次の時代を意識し、未来に対して構想されるものであることがその理由です。
数十年、場合によっては100年先の未来まで使われていく建築。
時代とともに変わっていくものと時代を経ても変わらないもの。
今という限られた時間にだけ目を向けていては、
すぐに新しい時代の考え方に合わなくなってしまいます。
建築には未来へのビジョンが必要なのです。
先日、世界遺産に登録された国立西洋美術館は、建築家ル・コルビジェの提唱した近代建築理論
が盛り込まれた建築の1つ。この理論は今や世界中の街づくりや建築様式の基本にもなっています。
60年近く前に建てられた建築ですが、今でもその輝きは失われてはいません。
当時の人々からは、さぞおかしなものに見えたことでしょうが、
現代のあらゆるものはそうした革新の積み重ねでつくられてきました。
次の時代を意識したハウスビジョン、それだけでとてもわくわくしてしまいます。
また、ほとんどのパビリオンが木でつくられているところがよかった。
もちろん、この会場自体が仮設であるため、解体や運搬のしやすさ、コストなどの運営側の理由のほうか
が大きいとは思うが、鉄でもコンクリートでもなく、昔からだれもが知っているローテクの素材で
コツコツと空間を表現しているところも、意味をより深く掘り下げているように感じました。