我孫子市S邸は実施設計も終わり現在見積もり調整中。
見積もりをするときには、数社の工務店に見積りをとる入札方式と
単独で1社の工務店を指名する方法がある。
ケースバイケースではあるが、私の場合は単独1社を指名する事が多い。
工務店数社に見積りをお願いして、できるだけ安いところに頼みたいと思う方も多いと思うが、
必ずしもそれがよい結果を生むとは限らない。
建築家である私はその家にかかる金額というのはおおよそ当たりがついているので
本来どの工務店に頼んでも、最終的に落ち着く金額にはほとんど差は出ない。
頭数をならべて選り好みをするよりは、信頼できる工務店1社を指名し、
とことん話し合ったほうが得策だと思う。
金額と同様に大切なのはその工務店への信頼性だ。
施主とずっとおつきあいをしていく相手であるから、
気持ちよくおつきあいできるところを選ぶのは言うまでもない。
本当の信頼性は施主や設計の考えを理解して正しく実行できる
コミュニケーション能力と確かな技術力にある。
建築家の住宅は一般的には施工が難しく、時間がかかる割りに利益もそう多くできない。
儲けだけを考えるなら決して向いている仕事とはいえないのだ。
そのため建築家住宅を施工するノウハウと多くの経験が必要となる。
ハウスメーカーの下請けばかりしている工務店では話にならないこともしばしば。
それを覚悟でがんばってくれる心意気のある工務店は実はそれほど多くはない。
建築家住宅を請け負う工務店の多くは、大変だけどおもしろい仕事がしたいと言う。
もちろん社交辞令が含まれることは承知の上だが、言葉以上に仕事の質を見れば明らかだ。
請け負う側も決して無理はできないが、できることには労を惜しまず、
施主の期待にしっかり応えようとする地道な仕事に確かな信頼を覚えるし
そういう工務店にこそ是非工事を任せたいと思う。
誠意を持って接することで、お互いに地に足がついたよい仕事ができる。
それが施主の利益につながると信じている。
只今、工務店1社を単独で指名。
お互い意見をぶつけ合いながら、金額の調整に奮闘しています。