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DIARY-TSUBOIARCHITECTS OFFICE
照明とエネルギーについて
照明は夜の街や空間を演出する大切な要素です。設計した空間をより良いものにするために、私も色々な明かりの演出方法を考えます。蛍光灯の白々しい光より、温かみのある色の白熱電球のほうが住宅の空間にはよく合います。天井からの光、間接照明、足元の光、照明をコントロールすることでそれぞれの空間に見合った奥行きをつくり出します。しかし、照明はその演出効果と消費エネルギーの関係をぬきにして考えることはできません。一般的な白熱電球は1つで60W〜100Wの電力を消費します。1日つけておいた場合、人間1人が1日で消費するエネルギー2400Kcalにほぼ等しく、それを消費するために酸素を470リットル使い、同じ量の炭酸ガスを排出します。そして電球の光は消費エネルギーの10%の部分で、残りの90%はただの熱に代わって放熱されてしまうのです。1つの空間を演出することがどれだけのエネルギーを消費するのかということをデザイナーは意識することが必要です。昼間は太陽の光を十分に取り入れて余計な電気を使わないですむような空間デザインの提案や、白熱電球ではなく「電球色の蛍光灯」を使って消費エネルギーを1/3〜1/4にする提案等を積極的にすることが必要だと思います。一般の家庭でも電球を蛍光灯に変えるだけで、照明にかかる電気代は計算上1/3〜1/4になります。いままでデザイナーはこの部分をなおざりにしてきた感があります。見た目のデザインやテクニックだけではなく、それが「必要悪」にならないようにすることが大切だと思います。デザイナーに限らず、個人一人ひとりがこのようなことを意識していくことがこれからますます問われてくるような気がしています。
posted by Toki Tsuboi | 19:45 | 建築のこと | comments(0) | - |
ル・クルーゼの魅力
機能性とデザインの良さで人気のあるル・クルーゼの鋳物鍋を我が家でも愛用しています。料理の腕はさておき、まずは道具から入りましたが、この鍋の性能をいろいろ試しているうちに、結構な数の煮込み料理を覚えてしまいました。塩加減さえ間違わなければ、煮込むだけで誰にでもおいしいものがつくれます。初めてこの鍋を使った時、こんなに簡単においしい料理ができるとは正直驚きでした。ル・クルーゼの鍋はフォルムもかわいらしく、カラーバリエーションも豊富なので、置いてあるだけでもキッチンの雰囲気が良くなります。フランスの家庭料理用鍋として200年の伝統をもち、今や料理研究家の本などには必ず出てくるアイテムです。その性能の特筆すべきはなんといっても熱伝導のよさ。フタの重さで中の熱を封じ込めて、火をとめても鍋の余熱で中の食材に満遍なく火を通すことが出来、旨味が逃げません。素材そのものの旨味を最小限の熱で、最大に生かすその効果は道具としての品格を感じます。大切なのは食材のよさを生かしながらおいしく食べるということ。よい道具は道具自身ではなく、その仕事の質に特別な価値が現れるものだと思います。良いものを永く使っていくことは毎日の生活を豊かな気持ちにさせてくれます。この鍋は今や我が家の暮らしに欠かせない頼もしい相棒です。
posted by Toki Tsuboi | 19:38 | 日々のこと | comments(0) | - |
「マヨネーズ」vs「バイオマス」
ニュースで17年ぶりにマヨネーズが値上がりするという報道が流れました。今も昔も定番の調味料。「マヨラー」さんは別にしても一般家庭に普及している調味料だけに、値上がりすることはニュースになるのでしょう。値上がりの理由は、化石燃料の代替としてバイオマス燃料が世界で使用され始めたことによります。バイオエタノールをつくる原料に大量のとうもろこしが必要とされ、環境負荷の大きい石油や灯油(化石燃料)に代わる燃料として生産されています。このことでとうもろこしが食品業界とバイオ燃料業界との間で取り合いになっています。もともと環境事業と「マヨネーズ」は何の関係もなさそうなのに、こんなところで因果関係が出来るのは面白いですが、このことは深刻な問題を含んでいる気がします。「マヨネーズ」vs「バイオマス」は「食品」vs「環境」という直接的な構図が現れることでもあり、「食品」も「環境」もどちらも大切なことであって、対立構図となるべきものではありません。環境問題は使いすぎた資源を考え直すことが原点にあったはずですが、増えすぎた消費癖そのものを見直すことをせずに、限られた資源を取り合っていることは決してエコにも環境改善にもなっていないような気がします。個人的にはまず資源の大量消費を見直すことからはじめることが大切だと思っています。「マヨラー」さんもしかり?それは日常の消費生活を見直すことからはじまるのかもしれません。

posted by Toki Tsuboi | 19:10 | 日々のこと | comments(0) | - |
コンテナの美術館
東京お台場のノマディック美術館に行ってきました。現在「ashes and snow」という展覧会が開かれています。展覧会の中身はさておき、なんとこの美術館は貨物用コンテナを積み重ねて創られた移動式美術館なのです。設計したのは建築家の坂茂氏で、今世界で注目されている日本人建築家です。この人の考え方はとてもユニークで、紙パイプ(サランラップの芯部分に使われている紙の管)を構造体とした建築をつくっている人で、教会、ギャラリー、そして震災時にも使用された仮設住宅があります。最近ではパリのポンピドゥーアートセンター・メス館の設計コンペで勝ったことが大きな話題を集めていて、世界で脚光を浴びています。そのようなこともあってこの移動式美術館は前からとても興味がありました。構造体は貨物用コンテナと紙パイプ。紙はリサイクル、仮設性能を備えた優秀な素材であること、そしてコンテナは積み上げることで建築と同じ強度をもち、再利用すれば廃棄物は出ない。形を組み替え可能で必要なときは移動もできる。企画ごとに美術館ごと世界中を移動するという美術館はまるでサーカス団そのものです。屋根はテント?でジョイントはガムテープ?のような簡単なものですが、その場所の磁力を生々しく表現している感じを受けました。ノマディック美術館は入場料が大人¥1,900円で微妙に高いですが、行ってみて良かったです。パリのポンピドゥーセンターも出来上がったら是非行ってみたいですが、パリは少々遠いです。


撮影:坪井当貴
posted by Toki Tsuboi | 19:25 | 建築のこと | comments(0) | - |