埼玉県北本市で進行中の2世帯住宅の現場です。
春らしいお天気になり花粉の量も絶好調でくしゃみが止まらない中での現場定例打ち合わせ(笑)
外壁工事がほぼ完了し、ワインレッド&ブラックメタルの外観が現れました。
この瞬間というのは、まだ現場は終わってないものの、お客様にとっても私にとっても、
共に歩んできた道のりの1つの到着点を見たのような気分にさせてくれます。
未熟ながら産声をあげた我が子のような、そんな感覚に近いもの。
外観は窯業サイディングとガルバリウム鋼板の組み合わせ。
窯業サイディングは住宅では最も多く採用されている外壁材です。
多くはハウスメーカーや工務店向けに材料が造られているため、
建築家の仕事の中では、採用頻度は実はそれほど多くはありません。
私は建築材料としての使い方に注意すれば、窯業サイディングも十分採用できると思っています。
ここでポイント、使い方に注意とは、やはりハウスメーカーにはないデザイン的な工夫をすることで、
ちょっと意外な色の組み合わせや、面の広さや影のつけ方、開口部の配列などを工夫すると
外観の見え方は全く違ってきます。むしろ材料の特性を上手く生かせば、建物に存在感が生まれます。
この家では、黒のフレームの中に埋め込まれた赤いボリューム、大きく見せる面と、コーナーを意識した凹凸のある
開口部、外壁面を窓の配列で3分割にみせる手法=建物を実物より大きく感じさせないことなどを
特に意識してデザインしています。それらがうまく融合して、全体のバランスとして心地よいものになって
いたら成功です。建物は住む人の個性が現れるもの。それが街にとってもプラスに働くものであってほしい。
現場に同行したお客様からも、すごく「いい家」になったとお褒めの言葉をいただきました。
やはり、目の前のお客様からお褒めの言葉をいただけるのは本当にうれしい。
無事、成功したようです。