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DIARY-TSUBOI-ARCHITECT&ASSOCIATES
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竹林寺納骨堂を見て

CIMG2909.JPG

牧野富太郎記念館のすぐ近くに、五台山竹林寺があります。

その境内の奥に、昨年建築学会賞を受賞した竹林寺納骨堂があります、建築家の堀部安嗣氏の設計です。

この建築は今回の旅で是非訪問してみたかった場所の1つ。堀部氏の建築にはどこか寺院や古建築に似た

重厚感と静寂さ。他の建築にはない品格を感じます。数学者である父親の影響なのか、設計には幾何学を

用いることも多く、美しい解き方への挑む姿勢、ご自身の建築への美学がそこにはあるように思います。

 

納骨堂という建物の性格上、表に建つ建築ではありません。また骨が収められる厳粛な場であり、

自然と人間との関係、宗教的死生観に及ぶこの建物の特性は設計にも相当な難しさがあっただろうと想像します。

そのような課題とどう向き合ったのか、同じ建築設計をしている立場としてとても興味がありました。

 

境内の脇から入る細い道を歩いていくと、道の奥にその姿が見えてきます。

思った以上に小さな建物。というより小さく見える建物です。

凛とした佇まい。水平に延びる屋根の軒先はまるで紙のように薄く、この世の建築ではない錯覚すら覚えます。

 

その薄い軒先はとても低く構えられ、軒下空間には整然と柱が立ち並びます。

この構成はスウェーデンの建築家アスプルンドの「森の礼拝堂」を彷彿とさせます。

森の火葬場の中にある小さな礼拝堂で、世界的にも有名なアスプルンドの代表作です。

 

 

CIMG2910.JPG

道には素朴な踏み石が敷かれ、アプローチは道から1mほど下がっています。

低い軒先に向かって自然と頭を下げて入る演出。

また建物を極限まで低く見せることで、主張せず、この場所を借りているという謙虚さが

自然と人間との関係を表しているようにも思えます。

 

CIMG2911.JPG

写真はありませんが、この建物の奥には小さな中庭があり、

昼間は誰でもその庭に来てくつろぐことができます。

この場所が好きでよく本を読みにきている人もいるようです。

納骨堂を近寄りがたい雰囲気とはせず、自然と人が関わり、この世の延長としての憩いの場と

したことは、この建築の特にすばらしいところではないかと思います。

 

10年ほど前にスウェーデンの森の礼拝堂を訪れたことがあります。

墓地には生き生きとした森が広がり、その中の小さな礼拝堂は人々の憩いの場となっていたのを思い出します。

スウェーデンと日本では宗教観や死生観は違えど、自然と人間が共存する考え方は似ているのかもしれません。

この課題への堀部氏の解き方はとても美しいと思いました。

設計者である自分が前面に出ることも極力控え、謙虚でありながらも強く、大変美しい建築でした。

 

 

→直島・豊島の旅へつづく

 

 

posted by Toki Tsuboi | 21:20 | 旅行 | comments(0) | - |
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